遺留分算定の基礎となる財産

遺留分算定の基礎となる財産

遺留分を算定するための基礎となる財産は、被相続人が相続開始時に有していた財産の価額に、生前贈与した財産の価額を加え、そこから債務を差し引いて算定します。
遺留分を算定する際には、遺留分算定の基礎となる財産の範囲及び評価時点について、よく問題となります。

遺留分算定の基礎となる財産の価額は、次の①~④を足して、債務を引いた額です。

①被相続人が相続開始時に有していた財産

遺留分算定の基礎となる財産は、被相続人が相続開始時に有していた財産です。ただし、お墓等の祭祀財産は、他の相続財産とは別個に承継者が決定されることから、遺留分算定の基礎としての財産からは除かれます。

②被相続人が生前に贈与した財産

相続人以外の人に生前贈与された財産は、原則として相続開始前の1年以内になされたものに限って算入します。ただし、相続開始の1年以上前にした贈与であっても、贈与当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与したものは、遺留分算定の基礎財産に含まれます。

③相続人が受けた特別受益

相続人の中に、被相続人から婚姻・養子縁組のため、もしくは生計の資本として贈与(特別受益)を受けた者がいる場合、その贈与の価額が遺留分の基礎財産に算入されます。原則として、何年前の贈与であったか、また遺留分権利者を害することを知っていたかを問わず、遺留分算定の基礎となる財産に含まれます。

④不相当な対価をもってした有償行為

被相続人が不相当な対価をもってした売買等の有償行為は、当事者双方が遺留分権利者を害することを知りながら行った場合には、遺留分算定の基礎となる財産に含まれます。ただし、遺留分減殺請求するときは、遺留分権利者がその対価を償還しなければなりません。

 

専門分野コーナー|相続・遺言(専門)

ページトップへ