破産・債務Q&A
任意整理・破産・個人再生の違いを教えてください。
任意整理
私人間の法律関係は、他者との合意によって自由に形成することができるとされており(契約自由の原則)、
債務整理も他者との合意によってこれを行うことができます。
しかしながら、債権者は貸付金元金、利息、損害金の全額を払ってもらうことを望むものであることから、
合意の形成は困難であり、少なくとも元金全額の支払いを前提として、その分割払いの交渉ができるに過ぎないことが多いです。
強制力がない分、債務者にとっては必ずしも利用しやすいものではありません。
破産
債権者に対する支払の原資を自己の有する財産を換価(売却)することによって作り出そうとするものです。
法人においては、その有する財産すべてが換価されるのに対し、
個人においては、現金99万円及び一定の範囲で自由財産の拡張がみとめられた財産については、
破産財団に属さないものとして処理されます。
これらの換価をするのが破産管財人であり、
換価して形成された財産が破産管財人の報酬とその他の費用を上回れば配当を実施しますが、
これに満たないときは、破産手続きを終了させます(これを異時廃止といいます)。
費用不足が申立時点において明らかなときは、破産管財人を選任することなく、
破産手続きの開始決定とともに破産手続きを終了させます(これを同時廃止といいます)。
個人については、破産手続き終了の際に免責不許可事由がない限り免責を受け、支払義務から解放されます。
個人再生
個人再生は債権者に対して支払をするお金を自己の収入から作り出そうとするものです。
支払を要する額は破産の際の見込まれる財産額か、再生債権の額によって判断される必要最低弁済額のいずれか高い方の額であり、弁済期間は原則3年間です。
住宅ローンにおいては、支払を継続し、住宅を確保する方法も認められています(住宅資金条項)。
小規模個人再生においては、再生計画の認可には債権者の賛同を得る必要がありますが、
給与所得者等再生においては、特に賛同を要しません。
再生計画認可決定後に収入の激減等の事情があれば、
残金の支払いについて責任を免除してもらうこともできます(ハードシップ免責)。
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